2012年12月9日日曜日

「ヘクセンアインマルアインス Hexeneinmaleins 」

 夕食後、赤々と燃えるストーブのわきの小さなテーブルで、兄と私とヘルベルトの3人でおしゃべりしていた時のことです。エリカ Erika (ドイツの母)はとても元気な人で、もう90歳に近いというのにダンスや水泳を趣味としています。それも、水泳といっても水遊び程度ではなく、100 mや200 mをガンガン泳ぐタイプです。彼女はクロスワードパズル crosswordも毎日の日課として楽しんでいたのですが、最近は「Sudoku」にハマったそうです。言わずとしれた「数独」は今や世界語となった日本発祥のパズルです。エリカは、
「できないはずないんだけど・・・ あ~だめだわ。きっと何か法則があるのよね・・・」などと言いながら取り組んでいるとのこと、本当にその姿が目に浮かぶようです。

 そのうち、Sudokuから話が発展して、
「1から9までの数字を、3かける3で並べて、縦・横・斜めどこを足しても同じ合計になる並べ方ってどうだっけ。」
という話になりました。
「足していくつになるのかがわかれば・・・」
「15か16じゃなかった?」
その後、3人とも紙と鉛筆を持って、めいめいあれこれと考えておりました。

足して15として、真ん中の5は中央でしょう・・・ 角に何を置くか・・・ なんとなく、1と9を置くとうまくいかない予感が・・・。
「あ~、できたかも。」と私が言うと、「どれどれ。」と2人が点検し、「合ってる」と。

  2  9  4
  7  5  3
  6  1  8

魔法陣のことをドイツ語ではHexeneinmaleins と言うのだそうです。
「これ、ゲーテGoethe のファウストFaustに出てくるよね。」
「そうなの?」

  後で調べると、「魔女の九九」は確かにありましたが、
 「1を10となせ、2を去るにまかせよ、3をただちにつくれ、しからば汝は富まん、4は棄てよ、5と6より7と8を生め。かく魔女は説く。かくて成就せん。すなわち9は1にして、10は無なり。これを魔女の九九という。」
とあり、ちょっと魔法陣とは違うような・・・。  夕飯後の楽しいキッチン・トークの思い出です。