2012年12月10日月曜日
「ベスト・フレンド Best Friend 」
家で電話を受けたのですから、休日だったのだと思います。相手は関西に住む産休中の友達でした。唐突に、
「『ちゅらさん』、見てる?」
と聞くので、仕事に追いまくられていた私は、うらめしげに
「いつ見るの?」
と答えました。
「そうだよね。でさ、その時、テーマ曲にKiroroの『ベスト・フレンド』が流れるんだけど、知ってる?」
「知らない。」
ぶっきらぼうに答えると、彼女は言いました。
「そうかあ・・・。私、あの歌聴くたびに、あなたのこと思い出すんだよね。」
その歌を知らない私は、何と答えていいかわかりませんでした。用件はそれだけで、あとは雑談をして電話を切りました。
つらつら考えるに、朝の連続テレビ小説というのは、確か日曜以外毎日やっているはずだ、ということは、日曜以外毎日思い出してくれているということになる・・・。
人は「忘れない」と誓っても忘れていくものですし、去る者は日々に疎しで、離れていればなんとはなしに心に隔てができていくものです。それなのに、週に6日も思い出してくれているとは、自分にそんな人がいるかどうか胸に手をあてて考えてみればわかるとおり、それこそ文字通り「有り難い」ことではないか。そして、そのことを言うためだけに久しぶりに電話してくれるとは、なんと率直な人だろうと深く感じ入ったことでした。
たぶん、今話しても、「そんなことあったっけ。」と言いそうな気がするけれど。