旅行をしていると、食事の時間がよくズレてしまいます。朝はいいのですが、10時にお茶にしたりすると、昼食はどうしても2時くらいになってしまうのです。
インスブルック Innsbruck でのことです。遅い昼食をとろうとレストランに入りました。そこはレストランというしゃれた感じの店ではなくて、食堂といった方がピッタリくる店でした。そもそも小さな街では、その時間帯に店を開けているレストランは多くはありません。
店にはいると、ヘルベルトはそこで食事している人のところにまっすぐ向かって行き、食事ができるか尋ねました。少しやりとりがあって、手頃な食事にありつくことができたのですが、私には1つの疑問がありました。
「どうしてあの人がコックさんだとわかったの?」
その人はコック帽をかぶっていたわけでも、エプロンをしていたわけでもなかったから、私は彼が客と話しているものとばかり思っていたのです。
「えっ、どうしてかな。」
彼には直感的にわかったらしく、その質問自体に驚いていましたが、ちょっと考えてすぐ答えました。
「誰が午後2時に予約席でハンバーグ食べてる?」
こういうのは、私にまったく欠けた種類の常識です。