2013年4月8日月曜日

「紅春 21」


 めったに見られないのですが、りくの顔でとりわけかわいいのは、寝ている時に犬歯の先っぽがちらっと外に出ている顔です。歯茎をめくってみると大きく立派な犬歯で、「おお、やはり狼の末裔だな。」と思います。お風呂と同じで子供の頃からもっと歯磨きに慣れさせておけばよかったなあと思います。たまに歯ブラシのついた指サックで歯をみがいてやるのですが、慣れないせいか嫌がります。「いやだけどママは本気で噛めません」という犬川柳さながら、りくもそんな感じで耐えています。

 以前、りくを連れて遠出した時に、自宅で黒柴を飼っているという若い姉妹が「犬触ってもいいですか。」とやってきたのですが、りくを見て、「体細い、脚長い、歯白い」と言ってほめてくれました。飼い主はほとんど何もしていないのに、りくは本当に手のかからない犬です。

  りくは兄と朝食を食べるのが日課になっていますが、もらったパンのかけらに耳がついていると、「ん?ちょっと硬いな。」という顔をします。一度出して噛みなおしているのを見ると、思わず「あなたの牙は何のためにあるの?」と言ってしまいます。「りくはちっちゃい弱っちい狼だな。」と兄はあきれています。