世界中で「UMAMI」が爆発的な人気となっています。現在、世界の食文化を席巻している「うま味」の成分は、日本ではグルタミン酸やイノシン酸等として百年も前から知られた存在ですから、「何で今頃・・・」と思うのですが、2002年に舌にUMAMIを感知する受容体が発見されたことによるようです。これは何を意味するのでしょう。それまでもあったものを人体が感知できることが科学的に証明されたことで、世界の人に認知されたのでしょうか。ストレスという言葉を知るまで(この言葉が人口に膾炙するようになったのは、おぼろげな記憶では1,970年代前半ではなかったかと思います。)、私がストレスを感じたことがなかったのと同じ理路でしょうか。プロのシェフでもその程度の味覚だったのでしょうか。
それにしても、大昔からその存在を認め、抽出し、料理に最大限に利用してきた日本人の舌はすごいものです。話題の塩麹も江戸時代に作られたもの、古いものとして顧みられなくなったものが静かに眠っている時代というのは、知恵の宝庫かもしれません。今では料理本の調味料「塩」の部分の多くを、私は「塩麹」と読み換えて調理しています。実際うまいですね、これが。