2013年4月27日土曜日

「不安の消失」


 人間の情動は大きく6つ(恐怖、驚き、怒り、嫌悪、喜び、悲しみ)に分類されるそうです。学説は他にも様々あるでしょうが、こうしてみるとほとんどが好ましくない否定的な感情なのだなとあらためて思います。ただ、現代人はそれ以外の感情の比重がとても高いのではないでしょうか。不安や倦怠や虚しさといった感情です。

 日本人は不安遺伝子を持つ人が多く、不安を感じやすい傾向があると言われますが、現状や将来についての意識調査などでは必ず高い値となるようです。健康上の不安、経済的な不安、対人関係の不安・・・と数え上げればきりがありません。そのどれもが、解決の方向に向けて動くとなおさら不安が強まることも多いのです。

 経済的な不安を例にとってみると、将来に備えてリスクヘッジをどうしたらいいのかと頭を悩ませ、「インフレの時代になるかもしれない、これからは実物経済、金(きん)だ」とまず考えます。(冒険物語には必ず宝箱の中に金塊や金の延べ棒が出てきたので、私はよくそれを想像しうっとりしているかわいげのない子供でした。) しかし、実際それが手に入ったとしたら保管に困り、そのために貸金庫を借りなければなお不安になるでしょう。貸金庫の賃料もおそらくばかにならない額で、金の値段だって乱高下するでしょうから一喜一憂し・・・と、不安が増大していくのです。

 この方向ではどうにもならないのです。私も無性に不安だった時期がありましたが、はっと目が覚めたというか、あるとき不安が雲散霧消していることに気づきました。自分の来し方を振り返り、ここ最近自分の身に起きた不思議な出来事を考えると、「これから何が起こるにしても何の心配もない」と感じたのです。

「恐れるな、私はあなたをあがなう。あなたは私のもの。」(イザヤ書43:1)