2013年3月6日水曜日
「象の墓参り」
最近知った動物に関する話で一番驚いたのは、アフリカ象がお葬式と墓参りをするということです。知能が高いとされる大型霊長類の中でも人間しか行わない行為と思っていたので、ほとんどショックと言ってもいい衝撃でした。
その話によると、アフリカ象は仲間が死ぬと、お葬式のように死体の周りに集まって移動せず3日ほど過します。大食漢の象のえさがなくなり、いよいよ空腹のため移動をせざる得なくなると、死体に土をかけ、木の枝を折って掛けてやり、しっかりと死体を隠してから出発するというのです。
さらに驚嘆するのは、その場所を覚えていて1年後くらいに同じ場所に立ち寄り、骨になってしまった仲間の匂いをみんなでかいだり、骨を鼻で持ち上げたりして、懐かしむような行動をするということです。
動物にこれほど長期間の過去の記憶があろうとは。また、生活を共にした仲間をこれほど永く愛おしむことができるとは。知能とはちがうレベルの恐るべき能力としか言いようがない気がします。象の群れにこのような行動をとる習性があるのなら、昨今の人間よりはるかに高等な生き物だと言わざるを得ないでしょう。
私の関心のかなりの部分がいまや過去に向いており、時折、福島市街を見下ろす丘の中腹に眠る母とヘルベルトを訪れます。「千の風になって」ではありませんが、遺骨や遺灰はあってもそこに彼らがいないことはわかっています。でも今、彼らがどこにいるのか私は知っているので心安らかです。私もいつか時が来たらきっとそこへ行くつもりです。