2013年3月27日水曜日

「ロボット文明」


 子供の頃読んだSFで、未来ではロボットが社会の中心となっており、人間に対して「私が主人だ。」と宣言する話があり、強く印象に残っていますが、それに近いことが現実になりつつあると感じています。或る北欧の国では(デンマークだったかしら)、アザラシ型のロボットが認知症患者のペットとしてかわいがられ、明らかに患者のクオリティ・オブ・ライフの向上に役立っていると聞きますし、原発事故によって拍車のかかった各国のロボット開発では、ほぼ人間と同じことができるヒューマノイドが急速に進化しつつあるようです。

 工場に投入され人の動きに合わせながら作業するロボットに、「同僚」の労働者が「なにか人間にしかできないことを身に着けないと・・・」と言っていましたが、あまり成功の見込みはない気がします。このままロボットの進化が続くと、人間の仕事はほぼ全てロボットに取って代わられ、人間はいらなくなるでしょう。現在人件費の低い国に作られている工場でも、人件費がロボットの費用の損益分岐点を超えた時点で雇用は失われるでしょう。となると人は生きていく術がありません。まさにロボットが主人になるのです。

 「人間にしかできないこと」って何かあるかしらと考えてみましたが、これがないのです。今あっても、それができるロボットは必ず開発されるでしょう。その頃には一見したところ人と見分けがつかないヒューマノイドに囲まれた生活になり、違和感なく共存できる社会になっているかもしれません。地球が人間に必要な食料等を供給できている間はいいのですが、なにか環境の劇的変化によって、急速に人間が衰退する可能性は十分あります。ひょっとしたら、絶滅危惧種としてホモサピエンスの種の保存のみが、人間にしかできないことになるかもしれません。