2013年1月24日木曜日
「田舎者」
父のお相伴で、見るともなしについていたテレビを見てしまうことがあります。先日は、おそらく福島でしかやっていないと思われる、とても田舎くさい番組を見てしまいました。
私の知らない白河出身の女性お笑いタレントが、徒歩で日本一周の旅をする企画もので、週に一度放送されるようです。関東圏から東海、関西、四国、九州そして沖縄縦断、また戻って、日本海側を北海道まで歩くという結構大がかりな企画です。福島の復興を願う願掛けの意味合いもあるお遍路のようで、行く先々で出会う人との交流があり、福島の宣伝をして手作りのカードなどを渡したり、ご当地名物の差し入れをいただいたりというあたりが見どころなのでしょう。
最初見た時、この巡礼者はピンクのTシャツに「福島」というゼッケン姿でこれ以上はない田舎くささを醸し出していて、「これだから田舎もんは・・・」と、あやうくテレビを消しかけました。田舎者ほど田舎っぽいことが我慢ならないのです。(これは、開業当初の東北新幹線の車体に、米どころ東北の田んぼをイメージして緑色が採用された時、東北人からは「東北を虚仮にしている」とたいそう不評だったことからも知られます。他の地域の人には思いのほか好評だったのを知り、へぇっと思いました。)
ところがこの田舎者が
「私にできるのは歩くことだけだ。今日もがんばって歩くぞー。」
と言っているのを見たあたりから、ちょっと見方が変わってきて、「こうして歩くことに何の意味があろう。」という気持ちはあるものの、出会う人にためらわずありのままの福島を伝えていこうとする姿に、「とにかく、この人は今自分にできることをしようとしている。」と、妙に感動してしまったのでした。こういうことを実直にできるのが、田舎者の強みかもしれません。