2013年1月21日月曜日
「紅春 10」
お風呂が好きな犬がいるのかどうか知りませんが、りくはお風呂が嫌いです。今でこそあまり嫌がらなくなりましたが、それでも気配を察して毎回勝手口まで逃げてゆきます。朝一番の散歩に行った後、冬場は寒くないようにお湯を暖め返してからりくを湯船に入れます。最初は怖がって暴れましたが、なだめすかして入れました。
「朝からお風呂に入れる犬なんていないんだよ。小原庄助さんみたいだね。」
それからいっぺん出してシャンプーし、
「かゆいとこあったら、今言ってね。あとからやっぱりここもかゆかったと言われても困るよ。」
(風呂に入れた直後に体を掻いているのを見ることほど、がっくりくるものはありません。)
最後の脅し文句は、
「きれいにしてないと八重丸君に嫌われるよ。」
泡を流した後、もう一度湯船に戻してきれいすすいで入浴終了。吸水タオルで拭いて、晴れてお役御免となります。
お風呂の後は人が(犬が)かわったようにハイになり、たいてい茶の間で大運動会になります。それがひとしきり済んでもまだ7時、兄が起きてきていつもは廊下で「おはよう」を言うとすぐ行ってしまうりくが、まとわりついているので不思議に思い、そして気づきます。
「あ~りく、お風呂に入ったのか。いい匂いするなあ。」
りくはこれを言ってもらいたくて、嫌なお風呂も我慢しているのです。