年配の方が公共の場で身勝手な振る舞いをしたり、感情を爆発させたりする場面を見ることほど悲しく見苦しいものはありません。先日バスの中で、携帯電話での通話を注意された70代とおぼしき女性が逆ギレし、運転手に食ってかかる場面に遭遇し情けない気持ちになりました。やはり年長者には年相応の成熟した品位や寛容を示してもらいたいものだと思うのです。
スミソニアン美術館でアメリカの人々を驚嘆させた 日系収容者によるThe Art of Gaman を福島にて鑑賞しました。会場に一歩入るなり作品の圧倒的な存在感が胸に迫りました。生半可な作品ではありません、まさに魂の叫びが物の形をとってそこにあるのでした。家具や調度品、学習用具や日用品など生活に必要なものだけでなく、置物や装飾品、玩具もありました。生きるための雄叫びのような咆哮する木彫りの熊や獅子があるかと思えば、取っ手部分をトランプの四つの絵柄にした四段引出のような遊び心が感じられるものも数多くありました。心を込めた作品などという表現では足りない、もはや執念としか言えないものの結実でした。
第二次世界大戦中に収容された日系人は12万人とのこと、どれほど泣き叫び嘆いたことでしょう。絶望の果てにたどり着いたに違いない境地が、怒りや憎しみではなく透徹した生への讃歌であった証を見て、人間の強さと気高さについて考えさせられました。