2013年2月8日金曜日
「前向きに後退」
何年か前、年末にたまった仕事を片づけていて発作を起こし、丸3日間寝込んだことがありました。時々りくが心配そうに様子を見にやってきましたが、うんうん言いながら横になっていたので、「あっち行ってて。」と言うしかありませんでした。4日目にもう大丈夫かと起き出して続きを始めていたら、「何やってるんだ。まだよくなってないじゃないか。」と父にどやしつけられ断念せざるを得ませんでした。
1歩進んで3歩後退を繰り返すことが増えふと気づいたのは、「私は後退戦を戦ったことがない」ということでした。それまで元気だけがとりえで病気一つしたことがなく、体力、気力とも充実していてそれが当たり前だと思っていました。前進と敗走の経験はありましたが、これから必要なのは後退戦なのだと、その時はっきり自覚しました。
年をとるとはこういうことなのだ・・・。これからの数年間は後退しながら適切に闘う仕方を学ぶことに費やされるのでしょう。とはいえ、人間には相当の適応力があるものらしく、朝起きた時、特別なことが起きようはずもないのに、「今日はどんな日になるかな。」となんとなく楽しみなのはよい予兆です。事実、やっと芽が出始めたと思っていたヒヤシンスの球根の間から、紫色の花がこぼれているのを発見しただけで、朝からこれほどうれしいものかと思います。