2013年2月19日火曜日

「日本とドイツ きれい好き」

 うろ覚えなのですが、数年前にフランスのホテル業界が世界のホテルに「よい観光客」のアンケートを取った結果、日本人が断トツで1位だったと記憶しています。「マナーが良い」「礼儀正しい」「部屋を汚さない」等が理由として挙げられていましたが、納得できるものばかりです。

「あなた、日本人? うちは民宿やっているんだけど、日本人が一番好き。部屋をきれいに使ってくれるから。」
「は?・・・。」
ドイツの路面電車の中で、全く知らないご婦人から話しかけられたことがあります。宿泊時に特に部屋をきれいに使っているとも言えないなあと、腑に落ちない気持ちでしたが、その意味するところをしばらく後に知ることになりました。

 あるホテルで、部屋の鍵をもらって入ったところ、なんといいましょうか、まだ掃除が済んでいない状態で、それも尋常ならざる汚れ方に唖然としました。ティッシュや紙くず、食べ物のゴミがそのへんに落ちており、どうすればこんなに汚せるのか、故意に汚さなければここまでは無理だろうと思えるほどメチャクチャひどかったのです。もちろん、手違いでしたから、部屋は替えてもらいましたが、先のご婦人が言っていたのはこういうことかとやっとわかりました。

 ドイツ人のきれい好きは有名ですが、台所など雑然としそうなところが整然としているのがすごいですね。それだけに、Ferienwohnung (休暇中の貸家)で過ごす時は、汚さないよう、自分の家より緊張したものです。こうなるときれいすぎるのも考えものです。

 家の中だけではありません。治安がいいことで有名なミュンヘン市では、犬の落し物を片付ける清掃員がいて給料は警察官とほぼ同じということですし、ドレスデン市では犬の落し物のDNA検査による特定を真面目に検討したことがあるとのこと、これこそ国民性でしょう。(この一点にしぼれば街路の清潔さはパリとの差が歴然です。) 日本の場合、犬の落し物の始末は飼い主のマナーにかかっていますが、都市部では結構守られているのではないでしょうか。その理由はご近所の手前、落し物を放置し続ければ犬の散歩自体ができなくなってしまうからでしょう。

 冒頭のアンケート結果の理由の中に、「日本人は文句を言わない」というのもあって笑えます。ちなみに、その年の最下位はアンケートを主催したフランス、翌年は中国だったそうです。