2013年10月30日水曜日

「大人の実年齢」


 アルバイトの店員が食材を用いて悪ふざけをした映像をネットにアップし、大きな問題になる事件が立て続けに起きました。実年齢から10歳~20歳程度割り引けば、まあ理解できる現象です。

 先日、年商何十億だかのIT会社社長についての話を耳にしました。若くしてその地位に立つほどの才覚に恵まれた人なのですが、信頼していた部下が次々と離れていくという事態に直面し、悶々とした局面を変えたのはそれまで全く縁のなかったマラソンでした。大会に出場して初めて、全然見知らぬ人が本気で自分を応援していてくれること、大会を開催するためにどれだけ多くの人が無償で働いているか知り、心底驚いたとのことでした。

 部下が離れていった原因は、「おまえ使えねえな」という社長の態度にあったようで、現在はそれらの部下たちと一緒に仕事をしているということは、自分の態度を反省し呼び戻したということでしょうから、やはりひとかどの人物だったのでしょう。この人が何歳なのかわかりませんが、多くの見知らぬ人の尽力の上に世の中がかろうじて成立していることを知るのは、あと10年は若くてもよかったのではないでしょうか。

 逆に言うとその歳まで我がことのみの考えで人生が完結していたという生活状況だったということです。おそらく現代はそれほどまでに狭い社会の中での競争的環境にさらされているということなのでしょう。大人があきれるほど幼児化している原因の一つはそこにあるのだと思います。昨今の様々な事件を考えると社会としてもたなくなる時が迫っているのではないかと心配です。