2013年10月21日月曜日

「ヘイト・スピーチ」


 以前、「はあ?」という語尾を用いて相手の言うことを全くばかげた主張として封殺する話し方が流行ったことがありました。これを聞いたとき、「一般人がやくざもんになる時代なのだ。」と思い気が重くなりました。

 それと本質的に同根だと思うのですが、先日ニュースで「ヘイト・スピーチ」というネーミングを聞き、その正体が瞬時に把握できました。これはどうみてもインターネットの隆盛と無関係ではないでしょう。ある人種、民族、宗教、性別等をそれぞれ十把一絡げにして憎悪を掻き立てるということができるのは、個々の成員の多様性を知らないからです。歩み寄りとかすり合わせといった手の掛かる努力は切り捨て、一撃で相手を倒そうとする論調はネットでよく見かけるものです。

 最近つくづく考えるのは、人間は自尊感情がなければ生きられない動物だということです。ヘイト・スピーチは自尊感情の裏返しであり、それを行う人は相手を貶めることによって浮力を得ようとしています。土下座の強要はその端的な視覚版です。大変不幸なことだと思います。