新製品の発売に何日も前から泊まり込んで店先に並んでいる若者、売れ残ったお中元のセールに群がるご婦人方、北欧生まれの雑貨屋さんの東京出店に1000人殺到などの報道を聞くにつけ、すごいなあと思います。単純に「そんなに欲しいものがあるんだ・・・」と、感動に近いものを覚えてしまいます。
「欲しいものがない」のです。現代は購入するものがそのまま「自分は何者か」を示す指標となるような時代です。以前はそれなりに欲しいものがあったように思うのですが、あれは若さゆえでしょうか。世の中が私みたいな人ばかりなら、企業はバタバタ倒産でしょうから、購買意欲の旺盛な方々がいてくれないと確かに困ってしまうでしょう。それは生きる活力という側面もありますから、ちょっとでも「欲しいな」と思うものがあったら私も買いたいと思うのですが、これが本当にないのです。物欲がなくなっただけならいいのですが、生命力が低下しているのなら考えものです。