2013年8月29日木曜日

「紅春 33」


 食に関してりくは全くガツガツしたところのない犬で、時々もうちょっと食欲があればいいのになと思うことがあります。りくに食事させるのは結構大変です。ドッグフードだけを食器に入れても食べるのはよほどお腹が空いている時で、たいていはふうっと匂いを嗅いでそのまま行ってしまいます。
「そんなわがまま言う子は食べなくていいんだ。」
と私は言うのですが、また戻ってきてこちらの顔をうかがっているので、ついトッピングをしてしまいます。

 りくの戦略はただ一つ、「食事は急がない」です。夏の暑い時、食欲が落ちあまりに食べないので、「このままでは夏バテしてしまう。」と、お肉やら卵やらチーズやらを混ぜて食べさせていたことから、「食べずにいるとだんだんおいしいものが出てくる」と学んだようです。 なるべくドッグフードを食べさせ、あとはご飯のおかずを少し分けてあげますが、やはり人間の食べ物の方がおいしいので、ドッグフードをえり分けて食器の外に出しながら食べています。

 先日、愛犬を亡くされた方から「りくちゃんに。」と、缶詰を3缶いただきました。「ひな鶏レバーの水煮」という、りくがついぞ食べたことのない高級品です。さっそくその晩いつものドッグフードを混ぜてあげてみると、ひどく勢い込んで食べています。普段は残すドッグフードもきれいに完食! しかも、いつもは食べ終わるとスーッといなくなるのに、この日はいつまでも私のそばをうろうろしています。よほどおいしかったのでしょう。
「さくらちゃんに『おいしいものありがとう』って言わねばね。次は・・・2か月後のお誕生日!」
これは意地悪からではありません。