2013年8月19日月曜日

「時空の制約の中で」


 最近つくづく思うのは、人がいかに時代や環境の制約の中でしか生きられないかということです。私が生まれた時からさかのぼると百年もしないうちに明治維新になりますが、その頃日本は内戦状態であり、日本国民という意識があったかどうかは別として、日本人同士が殺し合いをしていたのです。百年といえば、言って見れば「ついこの間」のことです。また、世界では三十幾つもの紛争地域があり人々は端的に殺し合いをしています。

 朝起きて、今日のスケジュールを確認して「あー、やることがたくさんある。」と思ったり、夜になり「あー、一日何もせずに終わってしまった。」と思ったりできるのは、人類史的に見れば恵まれた人であり、贅沢な悩みと言わざるを得ません。まして、食事を三度三度とれ欲しいものはお店に行けば手に入るなどというのは、もう目もくらむような僥倖です。

 にもかかわらず、周囲の人も同じ時代、同じ社会環境で生きているためそのありがたみを意識することはありません。それどころか、他人とのわずかな違いに目が行きそこから優越感や劣等感を感じるのです。他人との比較は自分を客観視するには必要ですが、人に積極的な効果をもたらさなかったり心をむしばんでしまうこともあるので、ほどほどにすべきでしょう。人類史的な視点から現代の日本に生きる生活を見れば、自分を大切にし日々を丁寧に生きるすべを考えるしかないなと思います。