2013年12月8日日曜日

「紅春 40」


 りくはよく茶の間の出入り口に陣取っています。以前はうっかり開けて入ろうとして踏みそうになり、
「こんなところにいたら危ないでしょ。」
と言っていたのですが、今ではもう定位置の一つになりました。そこはりくが家族の出入りをチェックする関所なのです。

 夜、茶の間で寝ているりくを残し、洗面所で歯を磨き眠ろうとしてふと見ると、廊下の先に黒々と切り立った山のような三角お耳のシルエット・・・。寝ていたはずのりくがじっとこちらを見ているのです。兄の話では、夜中に階下に下りてきて、ふと振り返るとすぐ後ろに音もなくりくがいて、「ぎょっ」とすることもたびたびとか。

 りくはいつでも家族の動きを把握しています。私が帰省していると、把握しなければならない対象が増えて大変そうです。だから疲れちゃうんだよ、りく。