2013年12月23日月曜日

「気候と性格」


 自分がいかに動物かを最も実感するのは気候や天気に関してです。秋晴れが約束された青空の朝はそれだけでうれしさでいっぱいになりますが、なんとなく気鬱になるのは次第に日が短くなり冬に向かっているからにちがいありません。デュルケムがいう南欧と北欧で自殺率が違うのは当たり前、人間が受けている太陽の影響は自分で気づいている以上なのでしょう。人間は何よりもまず生物の一つの種なのです。

 東京と福島を往復して気づくのは何より気候の落差です。特に冬の東京はほぼいつも晴れていますが、福島では吾妻山がくっきり見える晴天はなかなかありません。文明の利器により生活水準の差は埋められても、気候そのものを変えられるわけではありませんから、何日分も見越して計画的に事を運ばなければなりません。用心深くなるわけです。同時に巡ってきた好機をすばやくとらえて利用する術が自然と身に付きます。先日久々に晴れた朝、真っ青な空を背景に吾妻連峰を写真に収めていたら、カメラを持ったおじさんが来て、「考えることはみんな同じだな。」と言いました。そうです、この写真が撮れるのは今しかないのです。この空も1時間後には曇ってしまうのですから。