2013年12月13日金曜日

「冬のヨーロッパ」


 「一般的にヨーロッパの冬はそんなに寒くないよ。」
ヘルベルトの言葉を真に受けて、一度だけ冬のヨーロッパを訪れた時がありました。キリスト教圏では、十二夜(twelfth night)の1月6日までクリスマスの装いですから、本場の(?)クリスマスの雰囲気を堪能できてよかったのですが、問題は寒さでした。ドイツからスイスへ行くことになっていたので、東京ではとても着られないダウンの裾の長いコートを着て行きました。それでも外は骨の髄まで寒いと感じました。もちろん家の中はとても暖かく豊かな気持ちになれますが、外は日中でもマイナスの気温が普通です。しかし、ドイツの人もスイスの人も、ご老人でも動じることなく、かくしゃくとして闊歩しています。要するに、寒さに対する体の耐性が全く違うのです。北海道出身の方なら順応できたかもしれません。

 その時は確かロンドンで乗り継ぎ便に乗って帰国したのですが、乗り込んでくるのはスウェーデンやデンマークからの日本人が多かったのを覚えています。日本に近づき、東京の気温や風速が機内アナウンスされました。東京の日中の気温が6度というのはかなり寒い日なのですが、機内では一斉に「おーっ、夢のようだ。」と歓声が上がりました。それはそうでしょう、皆、日中でも氷点下の世界から戻ってきたのですから。ヨーロッパの冬がそんなに寒くないというのは、ロシアに比べてのことでしょうか・・・。いずれにしてもその後、冬にヨーロッパを訪れたことはありません。