2013年11月5日火曜日

「危機センサー」


 バブル崩壊後に知り合いから聞いた話があります。バブル期に某証券会社で金融商品を購入し、言われるままに何度か買い換えをして利益を上げていたのですが、ある日、「今はこちらの商品の方がいいですよ。」と言われた時、不意に目が覚めたそうです。
「私、こんなことしてちゃいけないんだ。」と思い即座に、
「全部解約してください。」
と言って解約しました。対応していた人は訳がわからず困惑していましたが、本人が解約すると言っているのでどうすることもできません。その証券会社が経営破綻したのはその直後のことでした。
「社員は悪くありません。わたしらが悪いんです。」
と涙ながらに頭を下げた社長の姿は何度も放映されたので印象深い事件でした。

 以前、高速バスで大事故が起きました。私はずっとJRバスを利用していますが、当時、東京ー名古屋間が東京ー福島間よりはるかに安い料金設定に「これはありえない」と感じました。人間の労働というものを限りなくゼロにしようとしていると。そういうことはもうやめた方がいいと思います。もちろんやめるべきは、限りなく安さを追求する消費行動の方です。

 先日某大手スーパーにおにぎりを納めていた業者が、国産と偽り外国産の米をつかっていたことが判明しました。某スーパーは訴訟も考えているとのことでしたが何を言っているのでしょう。販売価格を見れば、誰が考えても国産米でないことは明らか、「知らなかった」のなら商売人失格す。ものの値段を限りなくゼロに近づけようとして、それによって何をめざしているのでしょう。消費者は物には適正価格があるということを冷静に考えれば、危険に近寄らずにすみます。と思っていたら、有名なホテルのレストランで食材や調理法の偽装が明らかになりました。こうなると、もう自分の舌や身体感覚を鍛える以外処置なしですね。