そのかわり、兄が帰ってきた時の喜びようは大変なものです。車が帰ってきたことを他の家人に知らせる時、吠えるだけでなく声を絞り出すようにして明らかに何か話しているのです。感極まった訴えがあまりに真剣なので、「ああ、一日中待ってたんだな。」と思います。これが毎日の出来事なのです。
兄が姿を現すまで、また洗面や着替えをしてりくを相手にできるまで結構時間がかかるので、その間、りくはうれしくてどうしていいかわからないようです。父にかかっていったり、大好きな「弟くん」という名のぬいぐるみを振り回したりしています。やっと兄と遊べるようになると、頭をつけてピョンピョン跳ねたり、お腹を出してあおむけになったり(この時前足は完全に脱力し、まるで「うらめしやー」というような格好になっています。) まったく甘えきっているのです。
りくはまもなく七つになります。犬の年齢は七掛けといいますから、人間でいえばもう「天命を知る」歳に近いのです。こんな甘えっ子でいいのでしょうか。