最近たびたび思うのですが、若い人の顔が幼くなっている気がします。新社会人でも高校生のような顔立ちですし、へたすると30代でも学生かと思うことがよくあります。日本人が海外に行って十も二十も若く見られることは以前からありましたが、これは見慣れていないせいで人種的な加齢の表出の違いを知らなかったせいでしょう。その効果は日本人には有利に働く場合が多く、私も「こんな年端もいかない子が一人で外国を旅しているとは…」と、親切にされることがよくありました。
これが今は国内でも起きているのです。若い人に限らず相当な年の大人でも、顔が幼くなってきていると感じます。少しでも長く子供でいたい、あるいは子ども扱いされたいという国民的傾向が何年にもわたって続いた結果、このような形で発言したのだろうと私は思っています。実年齢でいえばもちろん子供は減っています。20歳未満を子供としても疾うに2割を切ってどんどん1割ラインに近づいていっています。社会の人口構成のバランスからいって、せめて見かけや考え方および振る舞いにおいて、子供そっくりの大人を作り出しているのでしょう。昔も子供みたいな年配者はいたけれど、今は割合が異常に多い、という現象もやはり人口ピラミッドと関係していると考えれば、いろいろなことが腑に落ちる気がします。