2016年6月16日木曜日

「紅春 88」

朝の散歩でよく出会う年配のご夫婦がいます。りくをかわいがってくれ、頭頂部のハゲがある間は「ハートちゃん。」と声を掛けてくれていました。りくは一度はそばに行ってくんくんし、それから気ままに振る舞っているので、「ちゃんとご挨拶してください。」と言うのが日課のようになっています。

「日が長くなりましたね。」
「朝明るくなるのが早いので、もう待ってられないんですよ。起こしに来ます。」
「中で飼っているんですか。」
「そうなんです。」
「ハートちゃん、おはよう。朝はうれしいね。」
「りく、今日もおはよう言えてよかったね。それじゃ、また。」
りくにとって朝の散歩は新聞を読むようなもの。そんなにくんくんせずにもう少し上を向いて歩きなさいと言いたいほど、真剣に匂いを嗅ぎながら歩いていますが、ほぼ毎朝会う方がいるのはよいものです。