2013年7月22日月曜日
「グラーツの城山ホテル Schlossberghotel in Graz」
ハンガリーからドイツに抜ける道筋にグラーツというオーストリア第2の都市があります。一度車で通ったときにここにある立派なホテルで一休みすることにしました。正確なホテル名はわかりませんが、城山ホテルとしかいいようのない場所に建っていました。グラーツには城山があるのですが、ホテルはその斜面に城山と一体化するように建っているのです。
「あとでウィナー・メランジェいただきますよ。」
フロントでいきなりコーヒーを頼むのも変だとは思ったのですが、
「始めに少し市街散策をする予定です。」
とヘルベルトがフロントの人に話しました。
「よろしかったらそこの傘をお使いください。」
ちょっと空模様が怪しかったからでしょう、フロントの人がそう言ったので、傘を1本借り、とりあえず市街を少し歩いてからホテルに戻って、城山に登って展望することにしました。
どこから登るのかと思っていたら、ホテルのエレベーターで上れるのです。何階だったでしょうか、一番上で降りて外へ出ると、丘の中腹で、すでに美しい市街が眼前に広がっていました。あとは数段ずつの階段がところどころにつながっていて、テラス席がいくつかある本当に気持ちのよい場所でした。テラス席に座って景色を堪能していると、上ってくる人がいてヘルベルトが手を挙げて合図しました。ウェイターがコーヒーを運んできたのです。なんというタイミングでしょう。「あとでコーヒーを」とはこのことだったのです。こんなところでお茶できるとは。心地よいことこの上ない、本当に素敵な一日でした。