2021年4月9日金曜日

「エアコンの新設」

  面倒くさがりの性分が歳と共にひどくなっています。引っ越しなどはもってのほか、同じところに二十年住んでおり、エアコンは以前の住居からはずしてもってきた1台がリビングにあるだけです。それでずっとやってきましたが、ここ数年の夏の暑さは半端ではありません。夏はリビングの片隅に布団を移動して寝ていましたが、それも3カ月となるとさすがに無理、家の中が片付かない。それまでも何度も浮上しては面倒になってやめていた寝室へのエアコン新設を真剣に考え始めました。

 三月、四月は新年度の準備で電化製品の売れる時期、急ぎでなければこの時期は避けるようアドバイスされていたのに、やる気になった時を逃すと私はきっと動かなくなる、やっぱり今しかないと思いました。まずは家電量販店に行き、エアコンのカタログ一揃いを入手。私の希望としては、一切精妙な機能は求めず、部屋が冷えればよいというだけですが、具体的には、機種は100ボルト用であること、望むらくは昨年製品の型落ち、エコである(消費電力および始動電流が低い)こと、運転音が低いこと、値が張らないこと、といったところです。私は東京では暖房を付けたことがないので、一瞬「冷房だけでもいいかな」という気になりましたが、これからは歳を取るばかり、寒さを感じるかもしれないと暖房機能もあるものにしました。考えてみれば、これも人生最後のエアコンかもしれません。

 意外に忘れがちなのは室外機。ベランダが広いところならあまり考える必要はありませんが、私はメジャーで計測し図にしてメモしました。雨どい用の排水管があるのと水の通り道として床面に段差があるのがネックになるかもしれないと思いました。最後にカタログから3つに絞り、さらに熟慮して一つに決定。それは今リビングについているのと同じ企業のものでした。う~ん、私の見立ては昔から変わっていないのかも。

 はじめは量販店に行って対面で購入しようと思ったのですが、人が多いかもと思ったら疲れてきて、量販店のネット販売があったことを思い出しました。製品記号を打ち込むと、なんと三つの代表的量販店とも「売り切れ」「販売休止」。無理もない、四月だもの。それから念のため某通販会社で調べると、こちらは「あと2台」の表示。こういう時は迷ってはいけない、取付工事はどうなるのかという疑問もそこそこにとにかく注文しました。電化製品を通販で買ったことはありますが、それは工事無しで使えるものばかり。説明によると、製品が届くころに工事会社から日程確認の電話があるとのこと。そうか、まず製品が届くので保管し、それから工事業者が来るのかと理解しました。

 ところが翌日もう電話があり、ベランダの広さなど聞かれてから、日程の話になりました。月曜はどうかというので、「たぶん日曜にエアコンが届くと思うのですが、大丈夫でしょうか」と尋ねると、電話口の事務の女性が「エアコンが届くってどういう意味ですか」と言う。私はハッとして「もしかしてエアコンも業者さんと一緒に来るんですか?」と聞くとその通りとのこと。それは便利、一件落着です。

 あとは取付作業ですが、私が業者の車が来ることを管理人さんに伝えるのを失念し、ご迷惑をかけましたが、その日はマンションの予定が何もない日だったので大目に見てもらえました。作業の方はじっとベランダの様子を眺めていましたが、車から室外機の足台でぴったりのものを取り出してきて、高低差のずれを修復し無事設置してくれました。非常に丁寧な作業で全体で2時間半くらいかかりましたが、とてもすっきりと取り付けていただきました。「へえ~」っと思うほど昔の機種とはかなり形態の違うエアコンで、なんだか期待が高まります。ベッドの下にうずたかく積もっていたホコリもきれいにし、ついでに向きを変えてみたら部屋が広く使えて、何だか別の部屋になったみたいです。

 通販のレヴューの中には随分ひどい工事業者もいるような話があったので、ちょっと恐れていたのですが、室外機の足台の別途請求もなく、気が抜けるほど楽でした。すなわち、通販で設置工事付きの電化製品を購入した感想は、「やってみたら何も問題がなかった。便利さもここまできたか」というものです。これじゃ、世界の長者番付一位になるわけだわな。ともかく、これで今年は猛暑の夏をなんとか乗り切れそうです。