2016年4月15日金曜日

「お金と時間のバランス感覚」

 当時は当たり前のことと思っていましたが、今振り返ると勤めている間は勤務時間以外の時間も、毎日時間に追われていました。自分で自由に使える時間はほとんどなく、やることが次から次へと湧いてくるようでした。働き方の上手な人はそういう時間管理をちゃんとできるのでしょうが私は全く駄目で、いきおいお金で済むことはお金で解決するという方法をとっていました。時間をかけずにできる物事や生活を楽にしてくれる事柄への出費は必要経費、その時はそれでよかったのです。

 退職して自分のペースで暮らせるようになり、また身の丈に合った生活費で暮らすことも全く苦にならず、本当によかったと思っています。よく一度膨らんだ生活費を縮小し生活レベルを下げるのは難しいと言いますが、実際やってみて、あれは経済活動を低下させたくない産業界のプロパガンダに過ぎなかったことがはっきりしました。今あるお金と時間をやりくりしながら、足るを知る生活をすることはとてもすがすがしく、気分よく過ごせます。不思議なのはこれでも決して暇と言える時間はないことです。ゆっくり一日読書したいということは何でもなくできそうに思っていましたが、そうでもない。作りやすくなったとはいうものの時間はやっぱり作らなければできないものです。でもこれくらいがちょうどいいのです。人間は純粋に自分のためにだけ生きることはできない生物です。できるかもしれませんがきっと全然面白くないし、次第に気力がやせ細っていくことでしょう。時間に関してはこの微妙なバランスをとりながら過ごしていくのが生活を楽しむ勘所です。