2016年3月28日月曜日

「パンを焼く幸せ」

 スーパーに行っても必ず手に入るわけではない必需品としてバターがあります。最近は見つけた時に買って冷凍庫で保存するのを忘れないようにしています。「バターって何に使うの?」と訊かれることがありますが、もちろんパンです。私はお菓子は焼かないのですが、バターロール生地のパンにはどうしても必要です。朝食用のパンはもうずっと自分で焼いていて買ったことがありません。お店が遠い環境でも、強力粉や全粒粉、バターさえあれば毎日の心配をせずに済み、本当に楽になりました。一度焼くと、冷蔵庫(場合によっては冷凍庫)保存、食べる直前に電子レンジで温めるという方法で二、三日はおいしく食べられます。ありがたい時代です。

 自分で焼くと言いましたが、そう言っていいのかどうか、もちろん機械が焼いてくれるのです。ホームベーカリーはこねから焼き上げまでやってくれますが、困るのは長く使い続けると内釜に焼きあがったパンがひっついてしまい取り出せないという事態が起こることです。こうなると内釜を交換するしかないようで、これが結構な値段。その頃には新しい機種が比較的手頃な値段で出ているので、いっそ新調しようかなという誘惑に駆られます。
「いやいやもったいない。こねの部分の機能はまだ十分つかえるのだから。それにこんな機械を使い捨てにするなんてとんでもないことだ。」
と自分を戒め、方法を考えました。そして焼の部分はノンオイルフライヤーかオーブンレンジに分担してもらうことで決着。こねあがったものを小分けにして手で丸めて焼くだけだし、むしろ食パン型になったものをスライスする手間が省けてよいくらいです。タイマーを使って朝焼きあがるようにすることはできませんが、夜中に機械が動き出して睡眠の妨げになることもなくかえってよかったかも。また最近は、なんだかやる気が出ない時、パンでも焼こうかなという気になるのです。自分で作っているとまで言うのはおこがましいですが、機械と人間の仕事分担のバランスがちょうどよく、何より焼きあがる時の香ばしい匂いが気持ちを上げてくれます。