2015年9月12日土曜日

「平和をつくり出す者」

 今ほど日本の未来が揺らいでいる時はないでしょう。平和憲法は今や風前の灯です。このところの報道や国会中継を聞いていると、偽りの言葉をもって人々の危機感をあおり、戦争への道のりを突っ走ろうとしている方々がいることがはっきりわかります。もはや、恐ろしいはかりごとを隠すことなく、底知れぬ戦争とテロの連鎖に国民を引きずり込もうとしているのです。

詩篇35編17節~28節
主よ、いつまで見ておられるのですか。彼らの謀る破滅から
わたしの魂を取り返してください。多くの若い獅子からわたしの身を救ってください。
優れた会衆の中であなたに感謝をささげ
偉大な民の中であなたを賛美できますように。
敵が不当に喜ぶことがありませんように。無実なわたしを憎む者が
侮りの目で見ることがありませんように。
彼らは平和を語ることなく
この地の穏やかな人々を欺こうとしています。
わたしに向かえば、大口を開けて嘲笑い
「この目で見た」と言います。
主よ、あなたは御覧になっています。沈黙なさらないでください。わたしの主よ、遠く離れないでください。
わたしの神、わたしの主よ、目を覚まし
起き上がり、わたしのために裁きに臨み
わたしに代わって争ってください。
主よ、わたしの神よ
あなたの正しさによって裁いてください。敵が喜んで
「うまく行った」と心の中で言いませんように。「ひと呑みにした」と言いませんように。
苦難の中にいるわたしを嘲笑う者が
共に恥と嘲りを受け
わたしに対して尊大にふるまう者が
恥と辱めを衣としますように。
わたしが正しいとされることを望む人々が
喜び歌い、喜び祝い
絶えることなく唱えますように
「主をあがめよ
御自分の僕の平和を望む方を」と。
わたしの舌があなたの正しさを歌い
絶えることなくあなたを賛美しますように。

 先日、4度目の安保関連法案の反対集会に行きました。新宿伊勢丹前の歩行者天国道路です。時折激しく降る雨の中、新宿駅に向かって先が見えないくらい大勢の人が集まっており、傘が開いたり閉じたりしていました。考えてみればあらゆる世代の老若男女がこのように集まる集会は稀有と言ってよいでしょう。

  思いは一つ、「戦争やめろ」、「憲法守れ」、本当に願いはこれだけなのです。(この日スピーチされた京都大学名誉教授で「朝日歌壇」選者の永田和宏さんが紹介された歌に、「「総理大臣からその国を守らねばならないといふこの国の危機」というものがありました。どれほど情けないことか、他の何よりも総理大臣から自国をまもらなければならないとは。この問題はすでに政治問題であり、そうであればシュプレヒコールに安倍はやめろ」「集団的自衛権はいらない」も加わります。) 雨の中、全員でこれをコールする、強く、強く、強く、思いを込めて。

 「自分の将来が不安」という若者より「日本の将来が不安」という若者の方が多いといいます。無理もないです。戦争したくてたまらない大人がこれだけいて、ごまかしだらけの法案を通し、もういつどこでも米軍の戦争に加担しようとしているのですから。大人の多くが「せめて自分が生きているうちには戦争が起こらないでほしい。」と思っていたり、株が何十年ぶりの上げ幅だとかいうようなことばかりを大々的に放送する安倍様のNHKとなり果てた公共放送を聞いたり、他局にしても消費税アップ時の軽減税率(これも還付金方式という全くデタラメなもの、マイナンバーと抱き合わせで実施しようとしている、けしからん話である。)について、「安保法案でもあれだけ反対があったのですから、もっと身近なこの問題はどれだけ反対があるでしょうか。」などとあきれ果てたコメントをするキャスターがいるこの国の将来が不安にならないわけがないでしょう。(安保法案に関してはテレビ局でかろうじてがんばっていたのはTBSだけだと思う。) 鬼怒川流域の大洪水で濁流に飲み込まれそうな家の屋根から、家人の災難救助にあたる自衛隊員を見て、これこそ私たちが切望する自衛隊の活動なのだとどなたも思ったことでしょう。安倍首相は「人命第一」と言っておりましたが、それにはまず安保関連法案を撤回することしかないとなぜわからないのでしょうか。さっそくイスラム国が、日本を米国が主導する軍事作戦に参加する「連合国」の一員として非難し、日本の在外公館への攻撃を呼び掛けていることが報道されました。ここで明確に言っておきたいのは、「やがて必ずや国内で起こるテロに関して安倍首相、あなたは200%責任がある」ということです。戦争とテロをもたらすあなたは国にとっての災いです。平和的に安保法案に反対してきた全ての人が決してあなたを許さないでしょう。

平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。(マタイによる福音書5章9節)