2015年7月15日水曜日

「紅春 67」

 先日、入院先で7か月ぶりに愛犬と会った方のご様子を聞きましたが、犬によって相当違うものだなと考えさせられました。欣喜雀躍して跳びついたのかと思いきや、ごく平静でしかも「おすわり」などの指示を出しても全く言うことをきかなくなっていたというのです。それまでは必ず命令に従い、リードを離して散歩できるすなわち呼べば必ず駆けてくるのは家族の中でその方だけだったというのですが。このような反応は犬種によるのか、それぞれの犬の個性によるのかわかりませんが、洋犬と日本犬では若干違うのかもしれません。

  例えば縄文の昔から人間と一緒に暮らしてきた柴犬は、そのお墓も人間の隣りに丁重に葬られた跡があるそうですが、言うことをきかせる対象というより家族の一員という位置づけになっているように思います。うちではりくに何かを教えるということをほとんどしておらず、また必要もありませんでした。教えても自分の意志でお手はしないということがわかってから、父はそういう芸(人間に対する卑屈な行為)を一切させなくなりました。りくにはりくの考えがあるのです。りくは家族が帰ってきた気配があると、うれしくてたまらないというふうに食事中でも戸口にダッシュして待っていますし、私が年に2回しか帰省できなかった時も、うれしさをどう表現していいかわからないような歓待ぶりでした。
 
 りくは愛情深いだけでなく本当に賢い犬です。
おもちゃとそうでないものの区別ができる。これは何でもないことのようですがすごい能力だと思います。与えられたおもちゃは遊んでかじってぼろぼろにしますが、置いてある靴下等にそのようなことをすることはありません。
体がぬれている時は布団に上がらない。これはお風呂に入れた後に気づいたのですが、普段はすました顔で私の布団に乗っているのに体がぬれている時はその手前にあるラグの上にいます。
土手の車止めポールをうまく抜けられる。これも教えたことはないのですが、散歩してくれる人と一緒に抜けないと、首が「オエッ」となることをわかっています。
トイレを知らせることができる。りくが居住まい正して10分ほどもおすわりをやめずじっとこちらを見ている時、もしかしてと思って連れ出すとたいていトイレなのです。粗相をしないようにりくはちゃんと気をつけているのです。(たまにただ外で遊びたいだけということもありますが・・・)
「りく、えらいね。りくはおりこうさんだ。」
といつも褒めます。人間より賢くてこわいくらいです。