2021年8月9日月曜日

「紅春 185」

 


 どこにも行けないような暑さが続き、りくと早朝の散歩をする以外は家にいる毎日です。8時にはすでに暑いのですが、まだ風の取り込みと扇風機でしのぎ、10時過ぎころから冷房を使っています。この冷房が電池を交換してもリモコンで調節できず、本体のスイッチを背伸びしながら押すと28℃の冷気だけは出るという代物で難儀しています。

 とはいえ真夏にはエアコンなしには過ごせず、スイッチを入れて一息ついていると、そのうち寝ていたりくが出ていきます。見に行くと、信じられないことに明らかに暑い廊下や隣室で寝ているのです。夏でも毛皮を着ているだけ犬の方が暑いと思うのですが、これはいったいどうしたことか。思い当たるのは一つしかありません。父に鍛えられたのです。徐々に分かったのですが、父は冷房や扇風機の風が嫌いで、自分一人の時は使っていなかったのです。私が帰省してスイッチを入れると、場所を移動したり「風の向き換えて」と言って、眉根を寄せて不機嫌そうでした。りくに選択権はありません。この父のもとで育ったりくは人間より暑さに強い犬になったとしか思えません。事実、りくが普段寝る場所は冷房の風が当たるところなので、最近そこを避けて寝ています。様々のことに対する動物の耐性は、きっと子どもの頃に養われるのでしょう。恐ろしいほどです。

 今年はりくを連れて遊びに行くのは無理かと思っていたのですが、ドライブくらいならということで出かけることになりました。りくが気配を察してあたふたと家の中を駆け回っている間に、お出かけ用の水筒や飲み物、カメラ、りくのトイレ用品を用意し、出発。「今日はクリニックじゃない」とわかるらしく、りくもうれしそう。以前のりくは車の中でも窓の外を見ようと動き回ったものでしたが、今ではだいぶおとなしくなりました。途中、山際を走る山形新幹線の車両が通り、絶好のシャッターチャンスがあったのですが、りくを膝の上で抱えているのでカメラを取り出せず、残念。目的地はやはりあづま運動公園の駐車場、オリンピックの野球の試合はないはずなのになぜか「許可証ありますか?」と聞かれ、「無い人は手前の方に止めてください」とのことでした。車をほんのちょっと降りただけでも暑いので、りくのトイレだけ済ませてすぐ退散。そのまますぐ帰ってきました。もともとドライブのつもりだったので、まあこれでよかったのです。帰りにコンビニで冷たい物を買い、家でゆっくりして、りくの夏休みは終わりました。