2021年8月2日月曜日

「若い力に励まされ」

 オリンピックはほとんど念頭になかったのですが、帰省してテレビがあるとついつい見てしまいます。オリンピックに出るくらいなのですから、本人の努力はもちろんですが、天性の才能があり、周囲に支えてくれる人々がいる恵まれた若者たちなのだと思いつつ、勝っても負けても必ず感謝の気持ちを口にする真摯な姿勢に心打たれています。

 近頃の若い人は変わったなと思うところが一点あります。以前はぎりぎりの競った場面では日本は必ず負けるという印象があったのですが、最近は競り勝つことが多いと感じます。それは思うに、様々な競技において世界と闘った経験を持つ選手が増え、どっちに転ぶかわからない接戦を制する勝ち方を知っているためではないでしょうか。アスリートの身体にとって最大の脅威は間違いなく恐怖感でしょう。個々の技にしても相手の力にしても、失敗するのではないか、負けるのではないかと思って少しでも体がこわばると、途端にその通りになるのです。闘い慣れ、恐怖に耐性ができた身体は、迷いなく最高のパフォーマンスを保証してくれるに違いありません。

 さて昨夜は、普段ならとうに寝ている時間を超えて、29年ぶりの決勝トーナメントを決めた男子バレーの試合を最後まで見てしまいました。第三セットを惜しくも落としたところでがっくり来ましたが、選手は後がなくなり開き直ったのか第四セットを取り返し、メンタルで負けていないことを証明しました。15点先取で勝ちとなる第五セットについては、勝負は時の運としか言えませんが、これを制したのは本当にすごいことで、若い選手の成長の軌跡を見せてもらいました。テレビの前の若い方々にもこの試合が勇気となって届いていることを願っています。

 翻って社会の現状を見ると、どこもかしこも酷いとしか言えず、今50代以上の人は皆この現状に何らかの関わりがあるのですから、「申し訳ない」と謝るしかないとの思いが募ってきます。究極まで行き詰った現状を打破し、これからどのような社会を作っていくか、若い方々に任せた方がよいのではないかと、全然違うことを試合を見ながら考えていました。老齢の者は応援だけで力を使い果たし疲労困憊。唯一、頑固な頭の命ずるところでは「民族的慣習以外のタトゥーを入れている者は出場停止にすべし」ということです。何かで隠せるならそれでもいいですが、見たくないものを見せられる立場に立って考えてほしいです。