2019年12月30日月曜日

「紅春 150」

今年は比較的穏やかな年の瀬となりましたが、福島は吾妻おろしが半端なくすごい。日差しはあるのに強風という日、りくが若い頃なら本人が望めば寒風の中でも外に置いたのですが、さすがにご老体となると本人の気持ちとは別に体のことを考えてやらなくてはなりません。

 先日、うっすらと雪化粧して風花の混じる晴天の日、雪見障子を上げて日差しが射し込む窓際でりくは居眠りをしていました。が、突然、「ワワワワワン」とけたたましい咆哮がして、驚いて「どうしたの?」と声を掛けると、猫が悠然と庭を横切って行くところでした。りくは火がついたように起こって立ち上がり、勝手口にダッシュしようとしていましたが、「悪い猫だねえ」とりくをなだめて落ち着かせました。

 こんなことは本当に久しぶりでした。耳が聞こえていたころはいつも猫の声に怒っており、また、玄関先で何頭かの猫が座談会をしていると「わしのシマを荒らしおって」と猛然と抗議、猫を蹴散らしていました。りくは元来おとなしい子なのですが、縄張りが荒らされることに関してだけは許せないらしく、スイッチが入ってしまうようでした。

 「まだこんなところがあるんだなあ」と私は、実のところ、ちょっとうれしかったのです。2019年も終わります。りく、来年も元気でいようね。