2017年11月2日木曜日

「日常の風景 思い違いと思わぬ幸運」

 先日の夜、長年使っていたICレコーダーの音が出なくなってしまいました。昼間1メートルくらいの高さから落としたせいだと思いましたが、いろいろ調べて表示タイトルがそのままであることから、たぶん保存した音源は無事だと思いました。取り出して別のところに移せばよいだけです。しかし、新しいICレコーダーは早急に購入しなければなりません。この小さな電子機器は私にとって書庫なのですから、何も聴くものがないという事態にすっかり気落ちしてしまい、いくつか選択に迷った末、某通販サイトで注文してその日は寝ました。気落ちしたのは、翌日通院の予定があったので、少なくとも丸一日は読み物なしで我慢しなければならないからです。長時間のバスの乗車も病院の待ち時間も聴くものさえあれば私はご機嫌なのです。外出の際、人と待ち合わせがある時以外携帯電話を持って行くことはまずありませんが、ICレコーダーは必ず持って行きます。

 次の朝起きて出かける準備をしながら未練がましく壊れたICレコーダーをいじっていて、コントローラーを上下に動かすと音量が表示されました。思わずじっと見て「ん?」 数値がゼロになっていることに気づきました。すぐさま音量を上げてみると、ちゃんと音が出ているではありませんか。音量ゼロでは聞こえるはずがありません。壊れてなどいなかったのです。いつもの大失敗で、「阿呆か」という事態には違いありませんが、まあこれはうれしい失敗と言ってもいいでしょう。その日の通院はるんるん気分で、検査予約を取るための診察だったはずが予約なしで検査もその日のうちに済んでしまい、うれしくて立ち寄った昼食の定食屋さんもポイントが全部たまったために無料でした。前日の思い違いから落胆が一転幸運に恵まれたおかしな日でした。