2017年11月8日水曜日

「1987」

 普段音楽と無縁に生活しているので最近の歌など全く知らないのですが、友人がスピッツの「1987」を教えてくれ、聴いてすぐにドツボにはまりました。歌詞を紹介できないのが残念ですが、バンド活動を始めた頃の雰囲気がよく表れており、世代は少し下ですが当時の時代状況を髣髴とさせます。まだ何物でもない若き時代の明るくやるせない彷徨の日々を、あの澄んだ声で歌われると「ああ、あの頃ほんとにそんな時代だったな」としみじみ感じ、一度もメンバーの出入りがないこのバンドの追い求めているものがおぼろげながらわかった気がします。正直言うと、スピッツの樫の斬新さにはついていけないものもあるのですが、この歌はよくわかります。本人が不思議なものに惹かれている以上、その衝動は誰にも止められません。ここでの「美しすぎる君」というのは、いわゆるミューズというか芸術の女神なのでしょうが、それを追い求めることには終わりがないのです。青春の日に忠実なバンドマンのことをちょっとおちょくりながら、愛しいまなざしを向けているというこの歌が、このところ一日中頭を巡っています。