2015年12月25日金曜日

「三つの小さな道標」

 今年の誕生日は運転免許証の更新にあたっていましたが、さすがにもう視力が出ないので免許証を返納しに行きました。警察の方が一度返納したらもう取れないですよと慰留してくれたのですが、事情を話したら納得されました。いずれにせよ免許証はずっと前に車を手放して以来、身分証明書としての役割しかなかったのです。代わりに身分証明に使える「運転経歴証明書」なるものがもらえるということもわかりよかったと思いました。「車庫から車を出すとかでも絶対運転しないでくださいね。」と念を押されましたが、車自体がないし、「それは自殺行為ですから。」と答えました。記憶をたどると運転免許を取った理由はキューブリックの「シャイニング」を見て、ジャック・ニコルソンの発狂ぶりのすごさに恐れをなして、旦那が狂ったとき雪道を逃げられるように車くらい運転できないと、と思ったのがきっかけでした。もうさすがに必要ありません。

 二つ目はマイナンバーの通知が少し前に私のところにも来ました。別にほしくはないのですが、移動の多い生活なので区役所に戻ってしまって面倒なことになるのはいやだなと思っていたのです。感心したのは点字でちゃんと「まい なんばー つーち」と書いてあったこと。あれは必要なもので、目の不自由な方に配慮されていたのは本当によかった。個人番号自体は何に使うのかよくわかりませんが、区から配布された広報によれば以下の通りです。「住民基本台帳カードがあり、有効期限がまだ先の方は、有効期限まで個人番号カードとほぼ同様に使えるので、すぐに個人カードと交換する必要はありません。」と書いてあり、住基カードの有効期限が平成28年3月前後で切れる方には12月22日までに、(なんと個人番号カードの申請ではなく)、「住基カード」の更新を勧めていました。この説明によってむしろ区役所は信頼できると思いました。私の場合、有効期限はいつまでかなと思って住基カードを見てみたら、驚くことに2025年! 区の説明ではそれまで何もする必要がなさそうです。何のためのマイナンバーなんだか。これはとにかく怪しいでしょ。

 三つ目は文字認識ソフトの使用です。どうしても紙ベースで何かを読まなければならない時、(この機種は東京の自宅にしか置いていないのですが、)プリンターををパソコンにつないでパナソニックの「読取革命」というソフトで読んでもらうことがお多くなりました。準備や設定、活字の読み取りにかかる時間を含めても自分で読むよりは早い、第一自分で読む気力はもうないのです。(眼科医からはこの状態でまだ文字が読めているのは奇跡だとまで言われています。) 時間はかかりますが見えないことをカバーしてくれるいろいろな技術があるのは本当にありがたいことです。こういうわけで2015年は見えないことを自覚する出来事が結構ありましたがおとなしく受け入れることにいたしましょう。