先日、都内中心部の医療機関へ初めて行く用事があり、いろいろとルートを調べてみました。実は調べるまでもなく、最寄駅から東京メトロへ乗り入れている電車を使えば、家から駅まで歩く時間も含めても一番早く、しかも乗り換えなしで行けるのは分かっていました。私にとっては結構早い時間に到着しなければならず、なおかつ遅れられない予定だったため、そのルートを使うのは始めからほぼ決定事項でした。それにもかかわらず他のルートを探ったのは、年配者にとってもっと体に優しい方法がないかと思ったからです。今回は実現しなくても様々な別ルートを考えるのは楽しいものです。さらに最近は、突発的な事情で一つのルートが運行見合わせ等になった場合に、その他の方法を考えておくのはリスクヘッジ上大事なことだと感じています。
いうまでもなく時間が十分あるという条件下で、「体に優しい」交通手段とは都バスの利用です。地下鉄に比べれば乗り降りが楽なだけでなく、よほど混んでいなければ座れる可能性が高く、窓の外から風景が見えるという楽しいおまけ付きです。私の場合、電車の駅よりバス停が圧倒的に近く、使い慣れているという点も大きなメリットです。自分の家から目的地までのおよその時間を比べますが、比較には運賃も大事な要素ですので、同じルートで往復した場合の運賃を2で割った金額を記します。ICカード利用で、都バスは必要に応じて一日券を利用することとします。
1.私鉄から東京メトロへの乗り入れ
一番早く着く交通手段で、駅まで歩く時間を含め所要時間1時間5分。乗り換えなしでひたすら乗り続けていれば着く。運賃:430円。
2.都バス利用のみ
乗り換え2回で行けるが、目的地まで2時間10分。ただし、全ての路線で確実に座れる。私にとっては使い慣れた路線。運賃:(一日券500円を2で割って)250円。
3.都バスーJR―都バスの西回りルート、
上記の中間部分を電車利用にして移動時間を20分ほどカット、所要時間1時間50分。ただし、JRの駅は乗る駅も降りる駅も非常に乗降客の多い駅であることが難点。運賃:428円。
4.都バスーJR―都バスの東回りルート
上記より前のjR駅を利用するため、前半の都バス部分を20分短縮できるがJR利用時間は10分長いため、所要時間1時間40分。JRの駅は乗る駅も降りる駅も、比較的小さな駅であるが、電車の本数は多いので安心。運賃:480円。
5.都バスー東京メトロ―都バス
上記同様前半の都バス部分を20分短縮できるばかりでなく、この地下鉄は目的地まで大幅なショートカットとなる路線、全体として所要時間は待ち時間を含めても1時間15分程度。今までこの地下鉄路線はほぼ念頭になかったので、「おおっ」と思わぬ発見をした気分。運賃502円。
6.都バスー東京メトロ(乗り換え2回)
前期の後半部分を都バスを使わず東京メトロだけ利用。地下鉄の乗り換え2回がややネック、私にこなせるか若干不安。所要時間1時間25分、運賃:462円。
調査結果は「時間もしくは手間と費用は概ね反比例する」という当たり前のものでしたが、帰りはバスでゆっくり帰って来るという選択肢もあるし、また天候という要素も徒歩移動を考えると考慮対象です。結局、「行きは絶対に遅刻できない」という緊張感から、最も安全な移動方法「1」で行ってきました。
他の路線は何のことはないただの脳トレでしたが、いつか役立つ時が来るかもしれません。私の知る限り、webの「乗り換え案内」ではバス路線はほとんど考慮されておらず、乗り換えの複雑さやプラットホームまでの上下移動の手間、利用時間帯の車両や利用駅の混雑加減なども比較対象外です。若い方には所要時間と運賃だけで十分かも知れませんが、年配者向け、バス込みの乗り換え案内があってもよい時代ではないでしょうか。