毎日の家事の中で一番気持ちがすっきりするのは掃除です。そして、掃除道具の中で最も役立つのは昔ながらの玄関箒であることを最近ますます実感しています。いわゆる「ほうき草」と言う畳用の柔らかい箒ではなく、もっと固い黒シダ箒でフローリングやカーペット、ラグ類を構わず掃くと、目に見えてゴミが出てきます。その場で塵取りに集めすぐごみ箱に捨てる。これを繰り返すとそう広くない私の住戸はあっという間にきれいになります。毎日、というか一日何回か同じことをするのですが、そのたびに必ずゴミが出るのにはびっくりです。人が汚すまいと生活していてもこれだけ綿埃や塵が出るとは。思い立ったらすぐ掃除、せっせと掃くと毎回それなりの成果が出ます。あまりに手軽に掃除が済むので今では掃除機はほとんど使わなくなりました。フローリング用のワイパーは掃除後に除菌シートを掛ける時に時々使います。掃き掃除は中腰で行うので、大腿四頭筋も鍛えられるように感じます。
先月は実家の障子の張り替えをしました。いつ以来だろうと考えるともう十年は経っています。紫外線による日焼けで紙が弱り、急いで障子を開けようとしたり、目測を誤って紙を突いてしまったりと、ちょっとしたことで開いた穴がいくつかありました。いつも茶の間で一番障子の近くにいたりくが開けた穴は一つもありません。本当に賢い犬でした。開いた穴はそのたびに繕ってきましたが、もう限界だと感じ、面倒な張り替えに着手したのです。
一番の問題は「障子を外してかつ戻せるか」ということで、以前は外した障子が嵌められなくなり父に入れてもらったのです。前回の反省を踏まえると、「決して一度に外してはならない」、もしくは「外した障子を時系列順にわかるように置いておかねばならない」ということです。どっちが奥でどっちが手前か、どっちが上でどっちが下かなどを間違えるともう入らないのです。「そもそも地震も多かったし、障子外れるかな」という不安もありましたが、大丈夫でした。職人さんの仕事とはたいしたものです。何度もの地震に耐え、間違えなければきちんと入るように作ってあるのです。その日は茶の間の障子2枚を1枚ずつ貼り換えました。障子紙を取り除いて木枠だけにしてしまうと、どの順序で張るのがよいかわからなくなるので、1枚を見本として確認しながらの作業です。下半分は上にスライドさせる雪見障子になっているので、その構造と取り外し方も思い出しました。
この日はこの2枚で終了、翌日は上の小窓の障子の張り替えをして、兄と「小鳥の森」のペット霊園を訪れました。掃除にしても障子の張り替えにしても、身の回りをきれいに整えることは無心になれる作業であり、或る種のセラピーなのだと思います。「姉ちゃん、いつまでも団子虫になってちゃだめ」と、りくにも言われそうです。