以前電子メールについて、「偽メールに侵食されて、やがてメールという便利な通信手段が消滅していくだろう」という趣旨のことを書きました。今では登録してある友人・知人からのメールと、自分でアクションを起こした通販会社からの返信メール以外は読まなくなり、様々なカード類、通信・交通・金融企業からの緊急連絡メールは片っ端から迷惑メールに分類してサクサクと処理しています。迷惑メールに分類しても相手方には何の通知も送られることはないと知ってがっかりですが、逆に相手を刺激する(この宛先は「生きている」と相手を元気づかせる)こともないので、目障りなものはどんどん消しています。迷惑メールは3年で900通ほどになっていました。「緊急」「アカウント」「無効」「追加サービスが無料」「確認メール」といったキーワードは自ら偽メールであることを教えてくれています。「ポイント」云々は本当の場合もあるようですが、別に要らないので無視。いずれにしてもメールの本文には触れず、いったん閉じてから、ホームページを通して確かめればいいのです。
ところが最近新手の偽メールが登場しました。某通販サイトの名で「あなたのクレジット番号で以下の方より注文がありました。普段と違う使われ方なので通知します」という旨のメールで、注文者の氏名と住所(関東近県)、注文品と価格(9万円程度)が書いてあります。実在する人・実在する住所かどうか分かりませんが、ぎょっとしたのは確かです。すぐメールを閉じて、通販サイトのホームページから注文履歴を確かめました。自分が注文した以外の履歴はありません。つまり偽メールなのです。念のためもう一度メールを開き、これまで自分が注文した時の、本物の「ご注文の確認」メールと比べてみると、まず「〇〇〇〇様」という私の名前のところが「△△△△△△(メールアドレス)様」となっており、相手は「私が誰であるか」を特定できていないことが一目瞭然です。また、本物はどのクレジット会社のカードで注文されたかが載っていますが、偽物の方はただ「クレジット」としか書いてありません。どの会社のクレジットカードを使用しているかも特定できていないのです。当該メールをすぐ迷惑メールに追加しましたが、これは今までより一段階巧妙な仕掛けになっていると認識を新たにしました。同じメールを受け取った人が、当該メールに乗っていた名前と住所に連絡をとらなければよいが・・・と心配になりました。
もう一件は、別の通販サイトから来た「ご注文の確認」メールです。一見普段のものと変わらない体裁ですが、問題は、その直前の数日間に私は何も注文していないということでした。たとえ注文後に来たメールでも、私の場合「あ、確認メールが来たな」と眺めるだけで終わりですが、もしかすると本文をクリックして確かめる人もいることを狙っての偽メールかも知れません。こちらも念のためホームページから注文履歴を確認しましたが、覚えのあるもの以外注文された形跡はありませんでした。このメールも迷惑メールに追加です。
本当に恐ろしい時代です。もはや「来るメールは全て偽メールと心せよ」ということなのでしょうか。警察関係の方に願うことは、このような一般人を陥れようとするメールは国家の基盤を突き崩すものなのですから、サイバー犯罪関係の人材や取り締まり機能を充実させて、被害に遭う人を一人でも少なくしてほしいということです。また、電子メールという通信方法のプラットフォームを提供しているインターネット企業に対しても、「手をこまねいていないでちゃんと対処しなさい」と、憤りを禁じ得ません。どんな差し障りがあるのか、ないのか、私には分かりませんが、各国の警察とタッグを組んで真面目に取り組んでほしいです。今回私が送られた偽メールについても、警察のどこかに連絡するような場所があるのでしょうか。多くの方の強力があれば犯人を突き止めることができるということはないのでしょうか。こういうことに疎い人でも協力する意志はあるので、そういった広報活動もしていただきたいです。