秋口から本格的にりくの「脚力強靭化計画」に乗り出し、せっせと散歩に励んでいたところでした。歩く時少し弧を描いていた右後ろ脚も改善してきて、半分までしか上れなかった階段も七分目まで上れるようになってきたところだったのに、自分の方がアクシデントに遭ってしまいました。この騒動で早めに上京することになり、りくに申し訳ない気持ちです。帰る時、いつもは寝ているりくがわざわざ起きてきて、「姉ちゃん、もう帰るの?」という顔で見つめているので、「散歩してあげられなくてごめんな」と言いました。「姉ちゃん、また治して来てね」と、りくの声を代弁する兄に駅まで送ってもらいながら、「くれぐれもりくの散歩よろしく」と頼んできました。
思えば暮れも押し迫った15年前の12月30日、「新しいうちで新年を迎えられてよかったね」と柴犬舎の人に見送られながら、りくを連れて帰りました。大きなケージの隅っこでちょこんと座っていた生後11週の本当にちっちゃな子犬でした。用心深いりくは本当に少しずつ家に慣れていき、父の薫陶を受けながら近所デビューをしてあっという間に人気者になりました。やがて恐ろしく賢い成犬になり、いつしか老犬になりました。年末か年始のどちらかをりくと過ごすのが恒例でしたが、今回はずっと東京で残念です。りくに会いたいなあ。