2021年12月25日土曜日

「リアルな老後体験」

 帰省先で不注意からアクシデントに遭遇、時節柄地方の病院にかかるのは気が引けたので、クリスマス礼拝にだけ出席して急遽自宅に戻ることにしました。翌日受診すると、「骨折してます。一カ月は安静に」と言い渡されました。あまりにお間抜けなことなので詳細は控えますが、たぶん人生初の骨折です。痛いは痛いのですが、骨折箇所が脚ではなかったため、「骨折してても帰省先から新幹線で戻れる程度なのか」と妙に感心しました。入院せずに済み、湿布を貼り換えながら自然に治るのを待つだけでよいと知り、ひとまずホッとしました。

 最初の一、二日はかなり痛かったのでほとんど動けず、何年後かの身体動作の予行演習のようでした。以前罹った変形性膝関節炎が完治し、違和感なく過ごせるようになるまで三年かかり、また、その後に生じた五十肩は受診して注射で即日治ったっけ。膝の時は経路にあるエレベーター、エスカレータの設置場所を頭に叩き込んで行動しなければなりませんでしたし、五十肩の時は受診するまで日ごとに痛くなって寝返りも打てない状態だったことをつらつら思い出しました。いろいろ体験していてお恥ずかしい限りですが、あまり高齢にならないうちに今回のことが起こってよかったと思うのは、こういう場合の対処法が体感できたのと、まだ持ちこたえる気力が十分ある歳だったというのが大きいです。少しずつでも確実に良くなっていくのを実感しながら、このリアルな老後体験も神様の御差配だなと思い至りました。横臥して考えるのは今後の将来設計に役立つことばかりです。

 身体に異常が起きたとき一番気になるのは、「今どういう状態にあるのか」ということだと今回実感しました。そしてそれが判っただけで、ほとんど治ったと言えるほど気分が楽になったのです。さらにまたしても知らされたのは、自然治癒力のすごさです。これほど医療の進んだ現代でも、自然に治るのを待つしかないとはなんと小気味よいことでしょう。「夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない(マルコ4:27)」といった自然現象と同様、このような治癒力はまさしく自然のものでえありながら、その自然を司る超自然的な方がおられるのを感じます。幸い日常生活は支障なくできる状態なので、神様から少しお休みをいただいたと受け止めています。朝夕祈りつつおとなしく過ごす静かな年末年始です。