2021年6月7日月曜日

「デジカメの進歩」

  最近は夜が明けるか空けないかという時刻に公園に行くのが楽しみになりました。水辺の鳥たちの食事の時間が始まるからです。雨上がりの翌日などは虫が多いのか、人が歩く歩道のすぐ近くまで来てせっせと朝食を食べています。少し前まで近寄るとササっと逃げていましたが、今は慣れたのか「大丈夫な人」と認識されてきたようです。カモは草地に大体つがいでいるのですが、一世帯(?)だけ三人家族もいます。それぞれいつも同じあたりにいるところを見ると、広い草地を分け合って、おおよその縄張り的な境もあるのかもしれません。鳥は顔の側面に目がついているので、警戒中は横顔を見せながら移動しますが、通い慣れて顔なじみになったせいか、正面からドドドッと一直線にやって来るカモが1羽いて、時節柄近寄らずにいますが、とても可愛いです。

 離れたところから被写体を大きく撮るためカメラを新調することにしました。今までは写ればいい程度の関心しかありませんでしたが、ちょっと調べてみると最近のカメラの性能の底上げ具合にはものすごいものがあるとわかりました。そこそこのものでも画素数の改善度合いがすばらしく、しかもコンパクト! とはいえ、腕もないのに本格的なカメラに手を出したり、様々な機能にあれもこれもと欲を出すと結局は満足度が低くなると思い、「望遠に特化した、片手で持てるサイズ」と方向性を決め、あとは値段を考慮して一つに絞りました。

 カメラが届いた翌日、公園に行くと南の空に朝の月が見えました。白くなりかけた月にレンズを合わせ、ズームを上げていくとなんと図鑑で見るような表面のボコボコ(いわゆるクレーターですね)が見えるではありませんか。初めて望遠鏡をのぞいたガリレオもかくやと思うほど驚きました。これはすごい! その距離だと手振れがひどく画面に収めるのが一苦労でしたが、とりあえず撮影できました。昨日や今日カメラを手にしたばかりの素人にこんな写真が撮れるとは、どれだけ技術が向上したことかと恐れ入りました。そのうち空が見る見る明るくなっていき、野鳥たちが木々を飛びながら呼び交わし始めました。さすがに飛行中の鳥をカメラに収めるのは無理でしたが、鳴き声のする方向にカメラを向けてズームすると、2羽の野鳥が街灯の上で何やら朝の挨拶を交わしている模様。普段なら私には絶対見えないものを見ることができ、「おおっ、こんな使い方もあるのか」と感動しきりです。離れたところの生き物の様子を画面いっぱいの大きさで観察したり、画像として保存したりということは今まで考えたことがなかったので、散歩中の楽しみになりそうです。それにしても自然の中の動植物を見ていると、つくづく神様の造られたものはすばらしいと思うのです。