2019年10月11日金曜日

「速報 ワールドカップバレー」

 日本で開催されているのはラグビーのワールドカップだけではありません。四年ごとに開かれるワールドカップバレーも時を同じくして行われています。前にも書いた気がしますが、私はドはまりの世代なのでこの時期は本当に疲れます。福島の家には大型のテレビがあり、試合観戦を楽しんできましたが、ファン心理というものは理性では説明が付きません。毎日リキ入れて応援してしまうのです。特に男子バレーはずいぶん強くなっている。四年前にすでに日本男子バレー史上最高の逸材と言われていたI選手はイタリアリーグで武者修行しているとのことで、自信にあふれたパフォーマンスを見せています。動きが速すぎてよく見えないほどですが、これを眼福と言わずして何と言いましょう。他国の選手に比べれば体格で劣ることは否めませんが、それを上回る素晴らしいプレースタイル、老成したと言ってよいほどの落ち着きとテクニック、感服しました。また、今回十九歳で登場したN選手には、すでにチームの大黒柱の片鱗が見えます。若い人が非常に頼もしい。これはもう、全国のバレー世代おばさんたちの心鷲づかみでしょう。おごりの春のうつくしきかな、でよいではありませんか。人生の秋ともなると、おばさんは若い方々が一つのことに全力で打ち込んでいる姿を見ると、わけもなく涙が出てしまうものなのです。他の選手たちも本当に一生懸命で健気、ポーランド戦で負けた時などは、もう途中からハラハラして見られない有様…。翌日、N選手は「あの試合は自分のせいで負けたようなもの」と総括しており、普段、自分の責任を糊塗するおじさんばかり見ているせいで、思わず「エライ!」と叫んでしまう。自分の駄目さ加減を認めない限り、そこから先へは進めないのだから。

 東京ではラジオで観戦してもあまり面白くないが、とりあえずフォロー。昨日はロシア戦に勝利、なんと十年ぶりとのこと。日本がマッチポイントを取ったあたりで、解説の元全日本センタープレーヤーのタレントKが「ロシアに勝ちたいなあ」と絶叫していた。なにしろこの十年、ロシアには一勝もできていなかったのだ。この日、選手たちは十年越しの悲願達成に沸いた。ただ、N監督のインタヴューに愕然。確か残りの試合について答えて、「高望みせず」というような言葉を使っていた。「高望みしろよ!」と茶の間で叫んだのは私だけではあるまい。初戦の時も、目標は8位」という監督に対し、「監督、目標が低すぎます」と選手たちが述べたというエピソードが紹介されていた。彼らはマジでメダルを狙っている。監督のこの姿勢は何かの作戦なのか、それともただの駄目おじさんなのか…。ほら、文章がいつの間にか敬体から常体になり、私の文体もこんなに乱れている。たとえ理性が吹っ飛んでも、おばさんは応援するぞ。今後の勝敗の推移を冷静に見守っていけるとよいのだが、ま、それは無理か。