台風という気象現象が私の子どもの頃とは明らかに違ってきています。生まれ育った場所が東北ということも関係しているのでしょうが、私は台風を楽しみにしていたのを思い出します。めったに来ないし、集中豪雨の迫力と吹きすさぶ嵐が繰り広げる猛烈なスペクタクルを窓に張り付いて凝視するのを常としていました。今はそんな危険なことはできません。昨日、集合住宅のエレベーターに乗り合わせた居住者(小さなお子さんのいる二人のお母さん)は、「窓にガラス飛散防止の保護シート貼る?」と話し合っておりました。今日聞けば、今のところ静岡に上陸の見込みで、これは台風の東側に当たる関東から見ると、最悪の事態が予想される状況とのことです。
昨日から私は台風に備えはじめ、まず水の確保をしました。たぶん1年以上替えていない18リットル入りのポリタンクの水を浴槽に入れ、新しい水にしました。2リットル入りのペットボトル8個も同様です。浴槽にはできる限り水を張り、不測の事態に備えました。午後は買い物に出て、電気やガスが止まっても3日間は耐えられるような食糧を購入しました。缶詰はもちろん(さば缶3パック278円は激安!)、常温で置けるトマトジュースや豆乳はありがたい。私の行く小さなスーパーではバナナはもうほとんどなくなっていましたが、とりあえず1房ゲット。皆考えることは同じです。これを機に普段自制しているお菓子や煎餅も非常食という名目で購入することにし、ちょっとうれしい。
次に今日行ったのは調理です。電気やガスが使えなくなった場合、冷蔵庫もダメになるわけですから、できるだけ具材に火を通しておく必要があります。ドライカレーを作り、これをスライスチーズとともに食パンにはさんでカレーパンとして冷凍しておくのは一つの手です。実はしばらく前から某コンビニのカレーパンにはまっていたのですが、人気の品らしく売り切れのことが多かったことから、自分で作ることにしたのです。サンドイッチメーカーで両面を軽く焼いておくと、解凍と同時においしく食べられます。今日はクルミパンも焼くことにしました。ここしばらく高血圧、高血糖の心配が出てから、朝は蕎麦にしていたのでパンを焼く機会がなかったのです。しかし、電気が止まるかもしれない非常事態なのですから、あとで「焼いておけばよかった」という後悔はしたくない。先月の千葉の台風被害で目が覚めました。電気、ガス、水道はあって当たり前過ぎて、それが失われた時の想像が及ばない。東日本大震災で体験したはずなのに、日がたつにつれて気持ちに緩みが出るのは避けられません。仕切り直しです。
さて、ここまで準備してあとは飛来物による窓ガラス等の破損、何らかの建物への被害ですが、ベランダやバルコニーには何も置いていない身としては、他の住戸からの被害を考えても仕方がない、皆さんがそれぞれ理性的に行動されるのを願うほかありません。風速60メートルでは車も空を飛ぶらしいので、これは想像もつかない。そこまでの威力がありませんようにと祈るばかりです。もう一つ最後の心配は,翌・日曜日の交通状況です。この日はよりによって前々から自分で礼拝登板を希望していた日です。「バスは? 電車は? 果たして渋谷まで辿り着けるのか、午後は会報委員会もあるし…」と、不安がよぎりますが、これこそ神様にお任せして、「台風よ、来るなら来い」と安んじて過ごしたいです。