2017年10月6日金曜日

「将棋会館訪問の楽しみ」

 最近はディスカバー・ジャパン的な現象があちこちで起きていますが、今年日本中の耳目を集めたのはなんといっても藤井四段の活躍で脚光を浴びた将棋の世界でしょう。流行には人並みに興味がありますので、先日友人と日本将棋会館のある話題の千駄ヶ谷に出かけてきました。都バスの北参道停留所で降りるともうお昼どき、となれば、やはりみろく庵に行かねばということで環状4号の高架に沿って東に歩いて5分で到着しました。ミーハーに徹し、藤井四段が注文したことで有名となった豚キムチうどんを食べました。料理を作るのはご主人、アルバイトはいるでしょうが、基本的におかみさんが接客というごく家族的な経営のようです。おかみさんは気さくな人で、今でこそ一字のフィーバーは去ったものの、夏の間どれだけ同じメニューがでたことかと話してくれました。これまでほぼ年中無休だったそうですが、今は休み(月曜が多い)を入れることにしたとのこと。行った日が休業日でなくてラッキー、とてもおいしいお店でした。

 すぐ南に建つ国立能楽堂は休演日でしたが、庭を一周して玄関から中を眺めるだけで満足し、いざ日本将棋会館へ。千駄ヶ谷は初めて来ましたが、適度に日常の風景が身になじむ、落ち着いた感じの良い町でした。鳩森神社の中を通っていくと近いようです。友人がお参りしている間、こういう時でもないと神社を通ることはないのであたりを散策。最近神道や仏教にも詳しい牧師先生に聞いた話を思いだし、静かにお願い事をしている友人に、「銅鑼を鳴らして神様を起こさないとだめだよ」と忠告してしまいましたが、よかったかしら。

 将棋会館は5階建てで2階までは見学でき、1階は将棋用品、お土産物屋、2階は道場で対戦をしている組がいくつかありました。将棋のたしなみのない我々はこれだけ見れば十分です。1階では将棋盤や駒を真剣な表情で静かに選んでいる人もいましたが、こちらは冷やかしで申し訳ない。「お饅頭ないの~、普通あるよね」などと能天気なことを言っていたのは我々だけでした。でも、碁盤の目になった箱に将棋の駒の形をした小さなお饅頭が入ったお土産があれば、大好評を博すること間違いありません。せっかく来たので藤井四段のクリアファイルや将棋の文字の入った文房具を買って将棋会館を後にしました。関西の将棋会館もそうだと思うのですが、この将棋会館を建てるのに尽力したのは、たしか大山康晴でしたっけ。勝負の世界で名を残すのはもちろんのこと、しっかりこういう施設を作るという大仕事をした大山康晴はやはり偉かったと思う一日でした。