2017年7月7日金曜日

「反省しなくていいのでしょうか」

 都議選の日は何日か前に不在者投票を済ませ、それきり選挙のことは忘れていました。政治に対する期待は微塵もないので気にもならず、夜になって結果を聞きました。予想以上の大差がついたことに少し驚きましたが、もっと驚いたのは、その前日だったか安倍首相が秋葉原に応援演説に行った時の報道でした。非常に多くの人が「安倍はやめろ」と「帰れ」コールを繰り返しており、ちょっと騒然としていました。その場にいた人たちの年代はわかりませんが、場所柄若い人が多かっただろうということ、それほど人が集まったのにはなにがしか呼びかけがあったのだろうということは推測できました。(それにしても、昭恵夫人にもらった百万円を返そうと籠池氏までいて札びらを見せていたというのだから凄い。) 応援演説をかき消された形の総理はいつものごとくいきり立って、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言っていました。その時頭に浮かんだのは次の二点。「安倍総理は十代の若者に選挙権を与えたことを後悔しているだろうな」ということと「こういう時のために禁じ手まで使って共謀罪法案を通したんだろうな」ということでした。

 「こんな人たち」と名指しされた人々はマジョリティとはいえぬまでも普通の方々でしょう。自分に反対しているからと言ってこの方々を排除する姿勢は首相としては失格です。敵対者を消していくのは独裁者であり、この方々とも共存していける仕方を模索するのが議会制民主主義国家の代表者ではないでしょうか。というようなことを、「中間報告」という名の強行採決で共謀罪法案を通した政府に向かって言っても無理なのか。もうだいぶ前から文明国としての議会運営の体をなしていないと思うのは私だけではないでしょう。忖度と密告は紙一重です。相手が、「鳴かぬなら脅してみようホトトギス」と思っていれば、「とりあえず鳴きまねしようホトトギス」とならざるを得ません。ホトトギスの話になったのは、たまたま友人からお子さんの話題で、ホトトギス川柳を作って遊んだ話を聞いたからです。その時、友人が私のことも詠んでくれたのですが、「あ、わかった」と言うなり一人で笑い出してしまいなかなか収まらず、ようやく聞けた一句はこうでした。「鳴かぬなら説得しようホトトギス」 私もゲラゲラ笑いました。ホトトギス相手に説得はしないと思いますが、りくにならするなあ。あの子はちゃんと話せば反省してわかってくれるから。