2017年6月5日月曜日

「紅春 106」

  りくをお風呂に入れたときのことです。もともとお風呂はきらいなのですが、もう慣れたと思っていました。ところが、バスタブから出して洗っている時に、「ヒーン」という妙な声を出しました。これはまずい。なぜなら発作が起きる手前の状態に似ているからです。あわててなだめながら手短に切り上げ洗い流して終わりにしましたが、その間ずっと断続的にこの声をだしており、また発作が起きるのではないかとはらはらしました。

 結局何事もなく終了し、その後の様子も変わりありません。思うに、どうもりくは発作を起こして以来、発作を起こせばいやなことをやめてもらえると思っているのではないかと思うのです。頭のよい子なのでそのくらいは考えそうです。それに、これは自分もそうなのでよくわかるのですが、年をとると忍耐力が明らかに落ちてきます。以前は辛抱していたことでも、もう嫌なことは我慢しないというふうに変わってきています。これからはお互い相手の我儘と折り合っていかなければならないようです。