柴犬がおばあさんと二人で暮らしている様子をテレビで見たことがあります。二人とも相当なお年でこれまで一緒に暮らしてきたのでお互いにかけがいのない存在です。ある日のこと、隠しカメラでおばあさんが病院に行っている間の様子を撮ってみると、柴犬はずっと玄関で待っていました。毎度のことなのでだいたい帰る時間もわかっているようです。そろそろ帰ってくるという時分、足音でも聞こえたのでしょうか、柴君は玄関を離れ茶の間に戻りました。それから玄関の戸が開いておばあさんが家に入ってくる瞬間に、柴君は迎えに出ました。あんなにずっと待っていたのにわざわざ一度戻って、「別に待ってませんでしたよ。」というふうに再び出ていく・・・。どうもこれが柴犬の特性のようなのです。ツンデレといってよいのか、大好きなのにクールに装ってしまうのです。相手に気を遣わせないという面もあるのかもしれません。
りくはといえば、確かにそういうところはあります。じっと見ていると目をそらしたり、りくがまったりしている時に構おうとすると、「姉ちゃん、うるさい。」とうざったがったがるのですが、放っておかれるのもいやで、一人でつまらなくなると手っこを出して来たり体を摺り寄せてきたりします。帰省して初めて扉を開けるときはそんな余裕はないのでしょう、うれしさ全開で飛びついてきて、数秒して不在にしたことを大げさに責められます。