人間のすることは何千年も変わっていませんが、老化は各個人に訪れるものですので誰にとっても初めての体験です。ある程度の年齢になるといやでも体調の変化に気付くようになります。元気印で活発な友人も、「もうヨーロッパまでの12時間のフライトはつらい。」と言っていたので、彼女でもやはりそうなのかと思いました。私の場合、若いころは体調を崩す予感が前日からわかったものでしたが、最近は昨晩寝る時はなんでもなかったのに、朝目覚めたら急に具合が悪くなっていたということが起きたりもします。退職して本当によかったと思うのはこんな時です。
職場に電話して休むのはいいとして、その際一日の予定を勘案してある程度細かく具体的な指示やお願いをするのは大変です。言っているうち、「体調がこんなに悪くなかったら出勤して仕事した方が楽」という心持ちになったものです。しかし今は誰にも気兼ねせずゆっくり寝ていてよいのです。以前、高齢者の医療費負担が無料で病院の待合がサロン化していると言われていた頃、「今日、あの方みえてないわね。どこか悪いのかしら。」という笑い話がありましたが、あれは実に真実味のある笑い話だったと思うようになりました。本当に具合の悪い時はとても病院に行ける気力・体力はないのです。風邪や普通の体調不良なら睡眠によって大抵治ります。
先日はちょうど通院の日に体調を崩しましたが、そもそも起床が早すぎたのでもう一眠りしたらなんとか行ける状態になりました。退職してもそれなりに課せられている務めがあり、そういう意味では大事な日に具合が悪くなると困りますが、そうなったらなったでそれはしかたがないのです。よい日も悪い日もあるけれど、悪い日は何もできなくてよい、少しでも気分よくいられたらよいというくらいに考えようと思います。